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「KLabGames放送局」を立ち上げたKLab柴田氏に動画配信マーケティングの考え方を聞いてきました!


 KLab株式会社 柴田 和紀氏   株式会社マイネット 祭原 祐 / 見学 奈緒


昨年末に28時間放送を配信し、22万人もの視聴者を集めた「KLabGames放送局」。今回はこの動画配信チャンネルを立ち上げたKLab株式会社のマーケティング部 部長柴田 和紀氏に動画配信の目的や今後の展望、更にはマーケティングコミュニケーションに対する奥深い考え方について話を聞いてきた。


(中央)KLab株式会社 マーケティング部 部長 柴田 和紀氏
(左)株式会社マイネット マーケティング室長 祭原 祐
(右)株式会社マイネット 見学 奈緒

 マーケティングとは、コミュニケーションである


CroPro: 本日はよろしくお願いいたします。よくされる質問かと思いますが、柴田さんが動画配信をはじめた目的を教えてください。

柴田氏: はい。まず皆さん一般的に1施策1効果、つまり1つのマーケティング施策に対して必ず明確な効果があり、その効果が効率的か、費用回収ができているかを検証し、PDCAを回す、という考えが基本にあると思うのですが、僕の考えるマーケティングというのは、皆さんと少し違っています。PDCAを回し、ミクロな部分で改善するということは否定しませんが、僕がマーケティングする上で前提に置いている考え方なのですが、『マーケティングとは、コミュニケーションである』と考えています。

CroPro: といいますと?

柴田氏: マーケティングというのは結局、マーケティングする側が、ユーザーやメディア、ビジネスパートナーとよい関係性を築いて、それを継続していくための考え方や行動を指すので、アドネットワークを効率的に活用することだけがマーケティングではありません。そして、そのマーケティングの考え方だと、色々なアプローチの仕方があります。 統計学をもってアプローチする人もいれば、心理学的なアプローチもあります。いろいろなアプローチの仕方がある中で、僕は数値化できない部分もすごく大事だと考えていています。それがコミュニケーションです。マーケティングをしていく上で、ユーザーとより多く、より深いコミュニケーションをした方がよいのです。単純接触効果というものがあり、より多くコミュニケーションをすれば、基本的には好意的になるという結果が出ています。

CroPro: 動画配信はマーケティングのアプローチの一つということですね。しかし、好意的なコミュニケーションをとるユーザーばかりではないと思うのですが?

柴田氏: よくニコ生などでユーザーとのコミュニケーションを活発にしようと考えたときに、ゲームに対してすごく不満が出るのではないか?不満をぶつけられるのではないか?と、皆さん心配をされるのですが、感情の起伏を考えたときに、大好きと大嫌いはものすごく近い感情で、1番遠い感情というのは「興味がない」なのです。例えばユーザーに不満がたまっているとして、ストアのレビューやSNSの書き込み、ネット掲示板の書き込みなどで、不満が出ていたとします。しかし、このような場合、ちょっとコミュニケーションを改善すれば大嫌いが大好きに変わったりもします。 そしてよりコミュニケーションの頻度を多く、また、コミュニケーションを深くすれば基本的にそれは好意的になることが多いです。つまり、コミュニケーションを改善すればよくなるという事なので、コミュニケーションを活性化させるためのひとつとして動画配信をやっています。

CroPro: より多く、より深いコミュニケーションをとる機会をつくるためなのですね。

柴田氏: これは動画配信だけを言ってるわけではなくて、SNSや公式サイト、ゲーム内のお知らせにおいても、より多くより深いコミュニケーションを意識しています。 コミュニケーションというのは、一方通行よりも双方向の意思疎通ができたほうが深くなります。ですので、SNSもただお知らせをつぶやくだけではなく、相手の質問などに対して答えてあげられたらより深いコミュニケーションになります。そこで動画配信がなぜ重要なのかと考えているのかというと、コメントを書いてくれたユーザーに対して反応をしてあげられるから。そうすることで双方向のコミュニケーションが実現できて、より深いコミュニケーションになるから重要だと考えています。

CroPro: なるほど。それでは深いコミュニケーションを実現することで期待できる効果はなんでしょうか?

柴田氏: 皆さんの考えているゴールがインストール数の拡大であったら、きっと動画配信をしたところでインストール数が拡大するとかプロモーションのCPIが下がるということは直接的には関係してきません。 僕らはユーザーや周囲との関係性をよりよくしていくということをマーケティング活動だと考えているので、結果として表れるのは動画配信を行ってユーザーの不満が少しずつ好意的な態度に変わっていくということですね。それは動画配信時のコメントの書き込みであったり、例えばゲーム外ツールのユーザーコミュニティやネット掲示板、SNS、お問い合わせに送られてくる意見であったりなどが少しずつ好意的に変わっていったというのはあります。ユーザーの反応を受けることでゲームの企画運営もユーザーファーストへと変化し、結果として、ストアのレビューなども好意的な意見も多くなってきたのかなと。

CroPro: 数値としては見れないけれど、周りの反応が変わってきた?

柴田氏: はい。それは少しずつ変わるものではないですかね。 これをやったらどれだけレビューの評価が上がるかということは、単純に計算をすることはできません。でも皆さんにコミュニケーションをとることが無駄かどうかと聞けば、それはコミュニケーションをとった方がよいと思うでしょうし、ユーザーが好意的に理解してくれた方がよいと思うでしょう。また、運営サイドもユーザーニーズをより深く理解することでユーザーファーストを実現できるという考え方の価値観は一致しています。

CroPro: 価値観が一致しているとは言え、定量的な効果の見えないアプローチを始めるというのは難しいと思うのですが。

柴田氏: 広告会社や広告配信業者の場合は、自分たちが提供しているサービスに対してどれだけの価値があるかってのを認めてもらえないと発注していただけないじゃないですか。ですから、発注したサイドがわかりやすい指標を設けることは重要だと思うのですけれども、マーケティングを主体でやっている人間が自分たちの価値観で解決できて、目先の数値目標が重要ではないと考えれば数値目標だけに縛られる必要はないのではないかと。 私はコミュニケーションするとき相手が何を望んでいるか、どう受けとられるかを考えます。そのときに最も重要なのが『相手の接触態度』。これが重要なんです。

CroPro: 『相手の接触態度』?

柴田氏: はい。 例えば1つの同じニコ生というプラットフォームであったとしても動画配信の内容によっては集まる視聴者が異なるので、その視聴者の接触態度に合わせた動画を配信しないとコミュニケーションは成立しないんですね。 いくらDAUが10万あるゲームだとしても運営に対してものすごく意見を言いたいという熱い思いを持っている人が少ないゲームであれば、濃いコミュニケーションをしようという配信内容では視聴者は少ないですし、DAUが1万のゲームでも濃いユーザーで構成されているゲームの場合は視聴者数は多くなり、発言も多くなります。この場合、ゲーム運営に意見を言いたいというくらい熱意のあるユーザーの比率によって大きく変わります。 つまり、『相手の接触態度』によって配信内容を決める必要がありますので、それを考えたら視聴者が何人だとかということはそれほど大きな意味にはならないです。結果としてゲームが盛り上がってきて、熱意あるファンがたくさんできれば、きっと視聴者数も多くなるでしょう。

でもプロモーションという観点で新規の人にアプローチしなければならないというときには、そのコミュニケーションは薄くてもいから多くの人に拡散させるべきじゃないですか。だから、一人でも多くの人に見てもらいたいという趣旨で年末に28時間放送というものをやって、結果として視聴者を22万人集めました。とはいえ、それは目的が違うので、自社放送の「KLabGames放送局」で22万人集める必要はないんですよ。タレントさんとか声優さんとかが見たくてきている人に運営のおっさんが出てきて熱い思いをぶつけ合ってもしょうがないじゃないですか。なので、同じニコ生であっても『相手の接触態度』に合わせて番組の内容や目的を分けて考えています。

 

「KLabGames28時間感謝祭」特設サイト

 大切なのは『相手の接触態度』。生放送は双方向のコミュニケーションが実現できる


CroPro: 毎週配信されている「KLabGames放送局」はどのようなスタンスで運営されているのですか?

柴田氏: 「KLabGames放送局」は、常にKLabGamesとしての情報発信をしていきましょうというスタンスを取っています。できる限り、多くのゲームや多くの情報をお届けしたいと思っている番組なので、できれば全部のタイトルを毎週やりたいのですが、タイトルによっては、隔週にしたり、ゲーム運営サイドの意向などもあるので変わったりしていますね。

CroPro: 毎週2時間の放送時間は、なかなか長いですよね?

柴田氏: ええ。サッカーとか野球をご覧になるときに生放送なら2時間とか3時間とかの試合を丸々見ることができるしみんなで楽しむことができるんですけど、終わった後に録画で丸々見ることは辛くないですか?

CroPro: つらいですね。最後まで見られないです(笑)

柴田氏: ですよね。それがライブとアーカイブの違いで、同じネット動画であったとしてもそこがちょっと違うんですよ。それはユーザーの接触態度が違うので。だから生放送で双方向のコミュニケーションが成立していれば2時間の番組といえど、別に長すぎないんです。3時間やっても大丈夫だし、だから28時間放送をすることもできるんですよ。それを後から、翌日に1から見ようというのは無理ですよ。そのライブ感を大切にしているんです。

CroPro: 毎週放送する理由は?

柴田氏: 好きなラジオ番組やTV番組を見るというような習慣化みたいなものですね。いつやるかわからないよりも必ずこのときにやっているってわかったほうが視聴もし易いんですよね。なので毎週やっています。 この番組を視聴する人たちというのは結果としてKLabGamesについて興味を持っていて、楽しいから毎週見ようという感覚になってもらわないとダメなんですよね。 なにかインセンティブがあるわけではないので、それを見ること自体が楽しいからとなると、接触態度としては、毎週好きなラジオ番組を聴いていて、そこにお便りを送るというのと同じ接触態度なんですよ。 

 数値では測定できないコミュニケーションの重要性


CroPro: 28時間放送までやられた柴田さんですが、これまでで一番苦労した点はなんでしたか?

柴田氏: 私のマーケティングに対する考え方を理解してもらうのにはすごく苦労しました。何度も何度も説明しなければならなかったですし、それでもなかなか伝わりづらかったですね。ぶっちゃけた話、視聴者数というものは作れるんですよ。と言うより、作るものなんです。

CroPro: じわじわ続けていくことで?

柴田氏: 続けていくことでというか、なんていうか・・・

CroPro: 施策で?

柴田氏: そうです。何をしたら視聴者数が多くなるかということ自体はコントロールできるんです。単純に視聴者数を増やしたいだけなら有名人をゲストに呼んだり、報酬を付与するのが確実ですよね。ですが、報酬を与えることによって100万人の視聴者を獲得して、それをもって成功と言えるのだろうかと。リワードで獲得したインストールがたいした意味をなさないのと同じで、僕らはどういうユーザーに対して、どういうコミュニケーションをしたいのか、ということを一番に考えているのであって、視聴者数の大小はまた別問題なのです。 ゲームのファン、ゲームに対して熱意のあるユーザーがたくさんいれば、きっと、視聴者数は増えるでしょう。しかしそれは、動画配信だけで何とかなることではないので、ユーザーを意識したゲームの開発や運営、企画・運営チームなどがユーザーとうまくコミュニケーションをとることによって、結果として、ゲームのファンや熱意のあるユーザー、つまり濃いユーザーを増やしていくことにつながります。そうなれば、その濃いユーザーの中から、運営サイドに対していろいろなことを言いたいとか、気持ちを伝えたいとか、熱い思いを持つさらに濃いユーザーが出てきますので、その熱い思いや気持ちを共有するための場としてあるのが、自社放送であるKLabGames放送局だと考えています。

CroPro: 深いコミュニケーションが実現した今とそれ以前では、ゲームの作り方は変わっているものなのですか?

柴田氏: そうですね。やはり企画や運営サイドの社員も放送に実際に出て、ユーザーからのフィードバックを直に受けていることによって、影響は受けていますよ。

CroPro: 他のゲーム会社さんで動画配信を取り入れるメリットはありますか?

柴田氏: そうですね。より多くのコミュニケーションをした方がよいとお考えだったら、ユーザーと接触できる窓口は多い方がよいですよね。

CroPro: 『相手の接触態度』に合わせて密なコミュニケーションを取るための施策として、これから新しくチャレンジしていきたいマーケティング施策や動画配信の企画などはございますか?

柴田氏: できるだけ多くのユーザーの接触態度に合わせたコミュニケーションをとっていきたいと考えています。例えば、YouTubeで視聴する人ってライブではなくアーカイブで視聴しているのですが、アーカイブで視聴する人にとって2時間というのは長すぎなので3分くらいのハイライトにまとめたいと考えています。また、そのユーザーの接触態度に合わせるという考え方の中で、海外でもゲーム事業を展開していますので、海外のユーザーに対しても同じように、そのゲーム内だけでのコミュニケーションではなくて、SNSや公式サイト、または動画配信などでコミュニケーションの量を増やしたいと思っています。

CroPro: いろいろなアプローチ方法を試していきたいということですね?

柴田氏: そうですね。例えば公式Twitterでは言いづらいことでも、それが僕個人のTwitterなら言えたりもすることもあります。こういうこともありますので、それぞれを使い分けて同じSNSだとしても、問い合わせが来るアカウントに合わせて、コミュニケーションをとるというように考えています。 あとは、グローバル展開ですかね。アドネットワークなどは既に海外展開ができるようにはなってきています。動画配信だって、今使用している機材を今のまま、この場所で、アメリカだろうと韓国だろうと台湾だろうと技術的には配信できるんですよ。今は日本だけですが。でもきっと、海外でも喜んでくれるユーザーがいるだろうと思います。

CroPro: 柴田さんならではの貴重なお話が聞けました。本日はありがとうございました。

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